018:「受け止められる/られない」の境界線やその文章の考え方

  • 受けとめすぎは要注意!
  • 受けとめるべきポイントを明確に!


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┃ 『目指せ!カスタマー・メールの達人』 No.018
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こんにちは。コラージュの加藤靖子です。
新たにご登録いただいたみなさま、ありがとうございます。
メール返信の際には、「受けとめ」が大切だということは、
これまでもたびたびお伝えしてきました。
けれど当然、企業として受けとめてはいけない内容というものも
あると思います。
今回は、受けとめられる/受けとめられない の境界線について
考えてみましょう。



■受けとめすぎは要注意!
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まずはこちらの事例をご覧ください。

<お客様からのメール>
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新しい味の【商品名A】を食べました。
はっきり言ってマズイです。
もう二度と買わないと思います。
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上記を、企業への問い合わせとします。
味に関しては、企業としてお客様の意見を丸ごと
受け入れることはできませんよね。

研修などでは「お客様の心情を受けとめることが大切」という
お話をしますが、大前提に企業の対応としてふさわしいかどうか、
という考え方があります。
その考え方を欠いている場合、「受けとめをしなければ」と考えすぎて、
お客様の意見や事実を受けとめ過ぎた返信文を作成してしまうことが
あります。

下記2つの例を読み比べてみてください。

(例1)
【商品名A】の味についてのご意見を頂戴し、ありがとうございます。
まずいとお感じになられたとのこと、誠に申し訳ございません。

(例2)
【商品名A】の味についてのご意見を頂戴し、ありがとうございます。
さっそく新しい味をお試しいただきましたのに、ご期待に添えず
申し訳ございません。

いかがでしょうか?
コンサルティングの現場などでは(例1)の文章も、よくお見かけします。
解説の前に、まずはお詫びの考え方についてお伝えしますね。

以前は、「謝罪できない内容には、一切お詫びをせず事情説明をする」
という姿勢の企業が多かったように思いますが、
ここ2~3年でCS(Customer Satisfaction=顧客満足)向上を掲げる
企業も増え、その一環で顧客応対時にもきちんと謝罪をしよう、
という意識が序々に浸透してきているように感じています。

しかし、それが形のみの謝罪になっていると、
これがまた別の問題を引き起こしてしまうことがあり、
それが(例1)の形です。


□受けとめるべきポイントを明確に!
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(例1)の何が良くないかというと、
お客様が商品を「まずい」と伝えてきたことに対し、
企業としてそれを全面的に聞き入れているような謝罪文に見えることです。

企業が商品を発売する際には、社内で何度も会議を開いたり
検討をしているはずで、それに対して1個人の感覚(特に味覚は不安定)を
全面的に受け入れてしまうことは、企業の対応としてはふさわしく
ありませんよね。

味についての苦情が入った場合は、(例2)のように
お客様がお求めくださったことについてもきちんと触れて、
それにもかかわらずご満足いただけなかったことについての
謝意を伝えましょう。

(例1)も(例2)も、文章の主旨は「お申し出についてお詫びをする」
ということに違いはありませんが、細かな意図が異なります。
(例1)のようにお詫びの表現が書いてあっても、
それが形式的だとお客様には伝わりにくくなってしまうものです。

ですから、

・お客様のどのような気持ちについて謝意を伝えるのか、
・そのお客様が行ってくださった行動はどのようなことか、
・なぜわざわざメールをくださったのか、

少なくともこの3つの想像をして、意図(狙い)を定めて書けば、
“心ないお詫び”にならずに済みます。
意図を細かく設定するためには、やはりリーディングが要と言えます。

その上で、これはどの部分の何に対して謝罪ができるのか。
「起きた事実」、「お客様が感じた気持ち」の2つを意識して
線引きをしっかりと行っておけば、
「何となくのお詫び」、「何となくの受けとめ」にならず、
具体的な文章でお客様に伝えることができるようになります。

線を引くべき事柄はたくさんありますが、今回はここまでにしますね。
「このような事柄は?」と思うことがありましたら、
メールでお送りください。
今後のマガジンで解説できればと思います。<加藤靖子>



■次回予告
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「罫線」や「箇条書き」、あなたはどのように使っていますか?
何気なく使ってしまいがちですが、実は効果的な使い方があるんです!
次回は「罫線」や「箇条書き」を用いる場合のポイントについて
お伝えする予定です。どうぞお楽しみに!



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