017:お客様の要望に答えたのにお叱りを受けてしまった原因とは

  • 読者Nさんからのメール
  • コンサルタント加藤の考察
  • お客様からの好意的な気持ちを見逃さない!


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┃ 『目指せ!カスタマー・メールの達人』 No.017
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こんにちは。コラージュの加藤靖子です。
今回は読者さんからいただいたご質問について考察していきたいと思います。
まずはご質問のメールを見てみましょう。


■読者Nさんからのメール
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加藤さん、はじめまして。
いつも興味深く読ませてもらっています。
前回号でお客様からお叱りを受けないための心がけについての
お話がありましたが、もう少し詳しく聞きたくてメールしました。

私も以前、お客様から怒られてしまったことがあります。
その時は、お客様の要望にもきちんと答えたつもりでいたので、
まさかそんなリアクションが返ってくるとは思ってもみませんでした。
お客様の要望に答えたにも関わらず、怒らせてしまった原因としては
どのようなことが考えられるでしょうか。
(Nより)



■コンサルタント加藤の考察
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質問メール、ありがとうございます。
メールをくださったNさんのように、お客様からのメールに書かれている
要望に答えて返信をしたにもかかわらず、お叱りを受けてしまったら
びっくりしてしまうと思います。

実際のメールを拝見していないので、ここではよくある原因について
お伝えしますね。
まず、前回のメルマガでもお話したように、
「メールがきちんと読まれていない」とお客様が感じてしまうと、
何らかのネガティブなリアクションが返ってくる可能性が多くなります。

テンプレート対応や定型思考が、お客様に“かみ合わない”印象を
残してしまい、時にお叱りを受けてしまうということがあるため、
お客様からのメールは必ず全文読み、「用件(主旨)」などを
読み取ることが必要である、ということはご理解いただけたでしょうか。

今回は、また違ったパターンでお客様からお叱りを受けてしまうケースを
ご紹介したいと思います。


□お客様からの好意的な気持ちを見逃さない!
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注意すべきなのは、メールの文章にお客様からの好意的な気持ちが
表明されている場合です。

例えば、

(1)「ラッピングが汚れていました。いつも利用しているのですが、
     普段はこんなことがなく、とてもきれいな状態で送って頂いて
     いるので、念のためお知らせをと思いご連絡しました。
     これからもがんばってください。」

(2)「ラッピングが汚れていました。」

上記(1)と(2)のメールを受けとったときに、
返信内容を変えられるかどうかが重要なポイントになります。
では、どのように変えるのが適切なのでしょうか。

(1)と(2)は、どちらもラッピング不良についての『連絡』ですね。
しかし、上記2つは同じラッピング不良についての『苦情』である、
とは言えません。
特に(1)の伝え方は、企業に対してお客様からの配慮があり、
「普段はこんなことがない」、「念のためにお知らせを」という表現から、
何か普段とは異なった事態が起きているのかもしれない、と
企業を心配して連絡してくださっている可能性があります。

ここでやってしまいがちな失敗は、(1)の連絡を受けたときに
ただただ陳謝し、即ラッピングし直すという提案をしてしまうことです。
まず、(1)のお客様が求めているであろう返信内容とは異なりますし、
さらに、「いつも利用している」や「これからもがんばってください」
といった、お客様からの好意表現をスルーしていたとすると、
場合によっては好意が失望、そして怒りに転じてしまうことがあるのです。
そもそも、企業はお客様には好かれていたいわけですから、
わざわざ「好き」だと表明をしている人の気持ちを無視すること自体が
ナンセンスですよね。

お客様の好意的な気持ち及び期待が強いほど、がっかりしたときの
感情の振れ幅も大きいものです。
こんなとき、「私は、そのような対応をして欲しかったのではありません、
ただ“こんなことがあったよ”と報告ぐらいの気持ちで
お知らせしただけです。ずいぶん機械的で乱暴だなと思いました。
がっかりしました」というように、残念な返信を頂戴することに
つながってしまうケースがあるのです。

ファンメールや好意的な感想には返信をしない、という
企業様もいらっしゃいますが、緊急度は低くとも
重要に扱うべきと、私はお伝えしています。

メールをリーディングする際には、
お客様はどのような気持ちで、何を目的としてメールを送ってきているのか、
どのような表現で伝えているのか、という点について着目していくと、
テンプレートアレンジもしやすくなると思います。
ぜひ、心がけてみてくださいね。
<加藤靖子>



■次回予告
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メール返信の際には、「受けとめ」が大切!
けれど当然、企業として受けとめてはいけない内容というものありますよね。
次回は事例を用いて、受けとめられる/受けとめられない の境界線について
考察していく予定です。

次号もどうぞお楽しみに!



■ご意見・ご感想などをお聞かせください!
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読者のみなさまからのご意見やご感想は今後の誌面作りの参考に
させていただきます。

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